専門委員会の紹介 【薬事委員会】
薬事委員会 鹿島健司委員長(小林製薬)
薬事法の大きな変換期を迎え、一般用医薬品製造販売業五団体(全国家庭薬協議会、日本OTC医薬品協会、日本医薬品直販メーカー協議会、日本漢方生薬製剤協会、全国配置家庭薬協会)で厚労省や日本チェーンドラッグストア協会へ円滑な試行についてリスク区分案の早期提示、パッケージ表示事項の早期開示、生活者への情報提供方法、審査体制の整備、審査基準の見直しなど要望を重ねてきました。
今期は、情報提供体制の確立、政省令の詳細な検討などに取り組みます。2007年3月に取りまとめられた「厚生労働科学研究一般用医薬品の添付文書等の改善に関する研究」(古澤康秀・明治薬科大学教授)を踏まえ、開封後の安定性が問われており、この対応が急がれます。
当部会参加企業の医薬品GMP(Good Manufacturing Practice)の精度向上とGQP(Good Quality Practice)との連携強化を目的として、関係方面の最新の動きや情報を当該部会で検討し、家庭薬メーカーとしての適正な方向性を示し、展開していく活動を行っております。
<具体的活動>- 行政による適合性調査に関して参加各社への情報共有を行い、全体的なレベルアップ活動を行う。
- 日薬連品質常任委員会に常任委員として参画し、家庭薬メーカーとしての有益情報を参加各社に水平展開を推進する。
- 大阪府医薬品等基準評価検討会に当部会より委員として参画し、業界と行政の基準の共有を図り、会員各社への水平展開を推進する。
- GMP/GQPに関する適切かつ円滑な運用が図られるような講習会・講演会を企画実施する。
- 消費者対応GVP部会と連携し、参加各社のGQP・GVP・GMPの連携強化を推進する。
定例部会:2時間×6回/年 部会委員数:43名
消費者対応部会では、お客様相談・クレーム対応担当者を対象に8月28日(金)午後、メンタルヘルス研修会を開催します。
GVP(製造販売後安全管理)部会では、会員各社が実際に困っている事例を把握し、問題解決を図ってまいります。
医薬品のGMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理および品質管理規則の基準に広告と表示それぞれのグループを3年前に統合しました。表示に関して改正薬事法が施行される前、リスク区分に対する業界の意見をまとめて行政と折衝するパイプ役を務めましたが、一段落した本年度は、広告に軸足を移します。
日本OTC医薬品協会の広告委員会が中心になって一般用医薬品の広告自主基準の作成を行っており、協会としてもここと連携するために、本年度も意見交換の場を設けました。また、医薬品を中心に化粧品、食品、日用品など幅広いジャンルの商品を取り扱う過程で広告・宣伝の問題がクローズアップされてきています。原点に立ち返り、景品表示法の基礎的な部分を再確認する目的で公正取引委員会の担当課長を招き、研修会を 開催しました。
さらに今後の課題としては、「厚生科学研究一般用医薬品の添付文書等の改善に関する研究」いわゆる「古澤レポート」への対応として、添付文書内容の検討、文言の見直しを行っていかなければなりません。
生薬品質部会は、漢方、生薬に関する勉強会を隔月毎に開催しています。
生薬を取り扱う医薬品メーカーは、生薬の鑑定能力を有する「生薬管理責任者」をおかなければなりません。生薬の鑑定とは、生薬の品質を五感(視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚)で判定する事です。そのためには、一種類の生薬でも良いものから粗悪なものまで、現物を見て、手に触れ、味わい、においをかぎ、音を聴いて、その違いを調べることが大切です。
今までに、使用頻度の高い「甘草」「人参」「大黄」「桂皮」「当帰」「黄連」「黄柏」「生姜」「茯苓」「麻黄」「葛根」「柴胡」「麝香」「熊胆」「鹿茸」ほか多くの生薬を取り上げて勉強してきました。
生薬の品質管理をするためには、天産物であるがため、異物混入のチェックをしたり、生薬固有の灰分、エキス含量などの測定や、機器分析による有効成分の定量など多くの試験を実施しなければなりません。そのため、試験の技術向上、試験法の条件設定の確定など多くの課題を克服していく必要があります。
生薬品質部会では、同じサンプルを用い、同じ試験をした結果を持ち寄って、データーの解析をしています。各社の出したデーターから、問題点を抽出して、よりよい試験条件を検証しています。
現在、実施した「甘草」「人参」などの試験データーをもとに、試験を行うに際しての注意すべき点を検討確認しています。
また、生薬学はフィールドの学問と云われているように、野外に生育する植物の生態を観察することが重要とされていることから、年一回、大学・研究所・企業の薬草園や野山での薬用植物観察会を開催しています。最近では、内藤記念くすり博物館の薬草園、ノエビアのハーブ園、田村薬品工業の薬草園、神戸布引ハーブ園、大阪府立花の文化園などを訪問しています。更に、生薬の試験をしていると、薬としてより単なる物としての意識が強くなってしまうことから、特に東洋の薬物は、本草から生薬の薬効や、漢方薬としての使い方などを勉強しています。
漢方薬については、大阪大谷大学薬学部の谿忠人教授を招いて講演会を開催しています。
当勉強会は委員間の親睦を図りつつ、生薬について、あらゆる角度から情報交換しながら勉強する楽しく有益な会です。
生薬は規格にさえ準拠していれば良いというものではありません。価格と品質を総合的に評価できる人材が求められます。その意味で会員各社の生薬管理責任者を育成することも望まれます。いわゆる病名漢方が主体になるなか、限られたパイの奪い合いが激化しつつあります。
これからのOTC医薬品は、生活習慣病の予防を視野に入れた「未病」の領域と、新規の効能効果を持ったスイッチ品にマーケット拡大の期待が寄せられています。併せて漢方薬の新210処方の効能効果を加味すれば、薬局薬店・DgSにおける相談販売の幅が広がります。
生薬品質部会では、薬用植物園の見学会も企画しながら生薬・漢方全般についてレベルアップを図る研修会を開催しています。大阪生薬協会やその他の団体との交流も充実させていきます。
承認申請部会は、主に一般用医薬品の承認申請に関する事項について隔月で活動をしています。
特に第十六改正日本薬局方の製剤総則に関する事項と、大阪府及び医薬品医療機器総合機構に対する照会事例に関して議論をしています。
一般用医薬品の承認申請は、都道府県に対し提出するものと、国に対し提出するものに区別されていますが、当部会では、都道府県や国に提出する申請書類に関する疑問点や困っている問題について情報を共有し、解決方法を導き出せるような活動を行っています。
また、部会の委員は、大阪府公衆衛生研究所や大阪府薬務課と各業界団体との合同プロジェクトも参画し、広く情報を収集すると共に、家庭薬協会会員の意見や要望を提出し、多くの成果を得ています。
当部会では参加された委員に還元される成果も多くあります。是非ご参加いただき、日々の業務にお役立て下さい。